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ホーム » コラム » 【最終話】大切な方に旅立たれたあなたへ

大切なひとと別れることはとてもつらいことですが、このつらさから誰も逃げることはできないのです。それならば、あらかじめ、別れの準備をしておくことが大切なのではないでしょうか。私のお話が死という現実に目をそむけず、死を受け入れる一助になることを願っています。(文責 岩尾 總一郎)

 

三途の川を渡るとき

 

「大切な方に旅立たれたあなたへ」

大切な人が旅立ち、深い悲しみの中にいるあなたにとって、どんな言葉もどんな態度もむなしく響くかもしれません。

しかし、大切な人を失ったあなただけではなく、多くの人が嘆き苦しみながら悲しみを胸に歩き始めるのです。

死別に対して心構えが十分出来ている人などいません。出来ているつもりでも、慌て、うろたえ、動揺します。「悲しい」感情だけではなく、あなた自身も戸惑うような別の感情が表れるかもしれません。しかし慌てないでください。大切な人との死別によって落ち込むのは当たり前のことであり、病気ではありません。むしろ当然のことなのです。

 

上智大学名誉教授で死生学者アルフォンス・デーケン先生の「悲嘆のプロセス12段階」では、以下ような経緯をたどることが多いとされています。

・精神的打撃と麻痺状態-あまりのショックのため、現実感覚が麻痺し、外からの情報を遮断します。心身の防衛反応ともいえます。

•否認-愛する人の死という事実を受け入れることが出来ず、何かの間違いだと思い込もうとします。

•パニック-愛する人の死に直面した恐怖から、激しいこころの動揺が生じます。

•怒りと不当感-深い悲しみを負わされたことに対する怒りや、「何故わたしがこんな不幸にあわなければいけないのか」という気持ちが湧き上がる場合があります。

•敵意とうらみ-怒りの対象が亡くなった方の担当医や看護師、介護の手伝いをしてくれなかった親族などに向かう場合があります。時として亡くなった方に向かうこともあり、その方の不摂生や不注意に対してうらみを持つこともあります。

•罪意識-プロセスが進むと、自分を責めるようになります。果てしない後悔の念に苛まれます。

•空想形成、幻想-亡くなった人がまだ生きておられる時と同じように、食事の支度をしたり、いつ帰ってきても大丈夫なように生活の準備を整えたりします。

•孤独感と抑うつ-大切な方が亡くなってから時間がたつと、否応なくその方の不在と孤独感が迫ってきます。

•精神的混乱と無関心-大切な方を失った虚しさから、生きる目標を失い、全くやる気がなくなってしまいます。

•あきらめ、受容-この段階になると、愛する人を失った事実を事実として受け入れる努力が始まります。

•新しい希望-新しい生活への歩みを踏み出す段階です。

•立ち直り-今までの苦難と悲嘆を乗り越え、元の自分に戻るのではなく亡くなった愛する人のおかげで、さらに人間的に成長した自分になることです。

 

 

しかし、この悲しみは全く個人的なことですので、必ずしもこの通りに表れるということではありません。

乗り越える、立ち直るというよりもむしろ、その方のいない世界に順応し「悲しみという感情と共に生きる」ものだと考えるほうが私としては気持ちとして近いような気がします。

また、深い悲しみはこころの反応以外に「睡眠障害」、「頭痛」、「食欲不振」、「体重減少」などの身体的な反応と、「いつも行くお店に行けなくなる」、「外出ができなくなる」、逆に「家にいられなくなり仕事に打ち込む」などの日常生活の変化として表れる事もあります。

悲しみや怒りは内に向かわせず、何らかの形で外に出す方が良いと私は思います。

時には、人の情けや助けをすなおに受け入れてみることも良いでしょう。

 

一人で全ての感情を処理しようとするのではなく、今は「グリーフ・ケア」といってあなたを支えてくれる組織もあります。

また、同じ体験をした人同士でしか分からない苦しみや悲しみを共に分かち合う場もあります。

悲しみからなかなか抜け出せないようでしたら、一人で頑張ろうとせず、助けを求めて下さい。

 

ひとりになる時があり、関わりを再開する時がきます。

孤独を体験する時があり、育み癒される時がきます。

 

「三途の川を渡るとき」は今回で終了させていただきますが、「お別れの準備」の一助になれば、幸いです。

最後までおつきあい下さり、有難うございました。

(文責  岩尾 總一郎)

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