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リビングウイル Q&A

協会について

【目的】日本尊厳死協会は、どんな目的でつくられたのですか。

協会は1976年1月20日、産婦人科医、太田典礼を中心に医師、法律家、政治家、ジャーナリストらが集まり、安らかな最期を希む人達のために人権団体として設立されました。当時は尊厳死という言葉がなかったので日本安楽死協会と言いましたが、1983年、現在の日本尊厳死協会と会名変更しました。2010年4月、「法人格」を取得し、一般社団法人となった後、2015年4月、一般財団法人日本尊厳死協会となりました。

協会は主に、次の事業を行っています。

  1. リビング・ウイルの普及啓発事業
  2. リビング・ウイルの登録管理事業
  3. リビング・ウイルの調査研究及び提言事業
  4. その他この法人の目的達成に必要な諸事業

【リビングウイル】協会が普及をめざすリビングウイルとは何ですか。

リビング・ウイル(LW)とは、治る見込みがなく、死期が近いときの医療についての希望をあらかじめ書面に記しておくものです。協会のLWである「尊厳死の宣言書」は、「不治かつ末期での延命措置の中止」「十分な緩和医療の実施」「回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)での生命維持装置の取りやめ」の3項目を、署名した本人の意思として表明しています。

【法制化】協会は尊厳死の法制化をめざしていると聞きましたが。

LWへの理解は高まったとはいえ、終末期医療をめぐる社会的ルールの乏しさが医師を悩ませ、腰を引かせている現実があります。患者にも、医療者にも安心してもらえる「法的整備は不可欠」と考えます。

現在、超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」や、与党自民党の政調会内につくられた「尊厳死に関する検討プロジェクトチーム」に対し、提言・要望活動を行っています。法律ほどの効力はありませんが、厚労省は2007年、国として初めての「終末期医療の決定プロセスに関する指針」を作成しました。

【受容協力医師】会報に「LW受容協力医師」が掲載されていますが、どんな方ですか。

LW受容協力医師とは、「尊厳死の宣言書」の趣旨を理解し、氏名を公表して会員の力になりたいと表明された医師です。本人の承諾を得て1995年から会報に掲載し、2014年1月現在約1200名の方々がいらっしゃいます。

会員が亡くなると、協会は「ご遺族アンケート」をお願いし、その結果を毎年、発表しています。回答に記載されていたなかで、LWに理解を示された医師に対して、協会から受容医師になっていただけるようお願いしています。なお、受容医師として氏名を公表した方以外にも、尊厳死の考えを理解、受容する医師は大勢いることをご理解ください。

【医療相談】医療相談がありますが、その役割は。

医療相談は、終末期医療での困りごとの相談窓口として1994年、本部事務局に開設されました。現在、原則として週3回(月、水、金曜日の午後1時から5時まで)で、通話代無料です。
会員・非会員にかかわらず、相談を受付ています。



協会の考え方

【尊厳死】協会が主張する「尊厳死」とはどんな死ですか。

尊厳死とは、不治で末期に至った患者が、本人の意思に基づいて、死期を単に引き延ばすためだけの延命措置を断わり、自然の経過のまま受け入れる死のことです。本人意思は健全な判断のもとでなされることが大切で、尊厳死は自己決定により受け入れた自然死と同じ意味と考えています。

【不治かつ末期】協会が考える「不治かつ末期」とは、具体的にどういうことですか。

不治とは「回復を目的とした治療に効果が全く期待できなくなり、かつ死への進行が止められなくなった状態」と考えます。末期とは「そうした不治の状態になった時から臨死期を含み、死までの時」と考えます。協会は、2007年出版した『私が決める尊厳死~「不治かつ末期」の具体的提案』、さらに2013年に出版した『新私が決める尊厳死』で、こうした協会としての考えを発表しています。

病態によって末期の期間に長短があります。末期の期間が長いとされるがんもあれば、ほとんど数日間の臨死期状態しかない急性の心不全、脳出血、事故による外傷などの場合もあります。

社会一般では、糖尿病やリウマチなどは完全には治癒しないと思われ、「不治の病」といった表現が使われることがあります。しかし、協会はそれらを尊厳死の要件の「不治」とは考えず、あくまで「治療効果が期待できず、死への進行が止められなくなった状態」が「不治」にあたると考えます。

【家族】尊厳死を実現するのに家族の意思は必要ですか。

尊厳死は本人の自己決定によるものですが、その実現には寄り添ってくれる人々(家族の場合が多い)の理解が非常に重要です。というのも、医療関係者には患者の希望よりも家族の言い分や合意を重視する人が多くいます。家族がLWに反対している場合、本人の意思が実現しないこともあります。

しかし、家族が反対したら尊厳死は認められない、あるいは家族が勝手に希望すれば尊厳死ができる、ということではありません。協会はあくまでも本人の意思があってはじめて尊厳死は認められるもので、同意してくれる家族はその実現を支えてくれる重要な人と考えています。ふだんから家族と話し合っておくことが大切です。

【遷延性意識障害】遷延性意識障害(持続的植物状態)とはどんな状態ですか。

事故や脳血管障害などで脳が損傷して、生命を保ちながら、重い意識障害から意思疎通ができない症状を遷延性意識障害といいます。患者さんは呼吸ができますが、動けないので寝たままの状態です。栄養は胃ろうなどで摂り、のどに詰まった痰を取ってもらうなど手厚い医療、介護を受けています。

「遷延性」というのは、「症状がずーっと継続する」ことです。この病状は長年「植物状態」と言いましたが、「人間を植物呼ばわりするのはよくない」として現在は遷延性意識障害と呼ばれています。

わが国では、日本脳神経外科学会の定義(1972年)で、次の6項目を満たす状態が3か月以上継続したものを「植物状態(原文)」としています。①自立移動不可能②自力摂食不可能③尿・糞失禁状態④意味ある発言不可能⑤簡単な命令に辛うじて応じることがあるが、それ以上の意思疎通不可能⑥眼球は辛うじて物を追っても、認識できない。

【延命措置】「宣言書」に記載されている「延命措置」とは何のことですか。

呼吸ができなくなれば酸素が体に入らず、やがて心臓が止まります。人工呼吸器を使えば、酸素が送られて心臓の動きは保たれ、数年生き続ける人もいます。このように生命に危険が迫ったとき、生命を維持するための措置が延命措置です。

延命措置として使われるものに、人工呼吸、人工透析、栄養・水分補給(経鼻管、胃ろう、中心静脈栄養など)、血液循環の維持、薬剤投与などがあります。

ただ注意したいのは治療措置と延命措置の関係です。本来、病状改善を目的とした治療措置であったものが、病状回復が期待できず、命の救助も不可能になると、同じ措置でも「治療」「救命」より「延命」の色合いが濃くなってきます。そして、もはや死が避けられず、単に死の時期を先送りする状況では、「延命措置」になってしまいます。

【差し控えと中止】装着した人工呼吸器などの延命措置を外すのと、初めから付けないのは同じですか。実際にできますか。

人工呼吸器や胃ろうなどは、命を救うために必要なときもあります。ただ、どんな治療を施しても助かる見込みがなく、末期が近づいた場合は、延命だけの措置になりかねません。いざというときに人工呼吸器などを延命治療のためだけに使わないでほしいことを病院側に伝えておけば、この延命治療が始まることはありません。これが「不開始」です。

問題なのは、すでに人工呼吸器を装着している場合です。人工呼吸器に命が支えられている場合、これをはずすことは困難になります。一度つけてしまえば、これによって命が支えられているわけですから、はずす行為が犯罪に問われかねないという病院側の危惧があるからです。法律で、延命治療を中止しても罪に問われないということが決まらない限り、この問題は解決しません。ですから、本人から主治医に対してあらかじめ「人工呼吸器は使わないでください」などと「不開始」を告げておくか、延命措置につながる可能性のある医療措置については、開始の段階で本人や医師、家族と十分に話し合って判断する必要があります。

ただ、これはあくまで末期の患者に当てはまることです。人工呼吸器がないと呼吸ができない疾患もあります。原疾患のために呼吸器を着ける患者と、延命のためだけに着ける患者とは明らかに一線を画す必要があります。

【法的には】尊厳死は法的に認められていますか。

尊厳死に関する法律はまだありません。しかし、終末期での延命措置中止を選択する自己決定権は、憲法が保障する基本的人権の一つである幸福追求権(憲法13条)に含まれるとの考えが一般的です。憲法を頂点に尊厳死を認める幾つかの司法判断がでており、協会は法的に認められていると考えます。

地裁レベルの司法判断ですが、安楽死をめぐる東海大付属病院事件の横浜地方裁判所判決(1995年3月28日)が、「治療の中止」は「無駄な延命治療を打ち切って自然な死を望む尊厳死の問題である」と言っています。そのうえで「現在の医学の知識と技術をもってしても、治癒不可能な病気に患者が罹り、回復の見込みがなく死を避けられない状態に至ってはじめて、治療行為の中止が許されると考えられる」と見解を示しました。

やはり川崎協同病院事件の横浜地裁判決(2005年3月25日)でも、患者の終末期における自己決定尊重と、医学的判断に基づく治療義務の限界を根拠として「治療中止は認められる」との見解が出ています。

【緩和医療】「宣言書」第2項に「十分な緩和医療を行ってください」とあります。尊厳死と緩和医療の関係を教えてください。

がんなどで痛みや苦しみを伴う場合、安らかな死を迎えることが困難な状況に陥ります。緩和医療を受けると、こうした苦痛症状は軽くなり、少しでも気持ちよく過ごすことが可能です。「緩和医療」とは、病気の進行により起こる肉体的な痛み、けだるさ、呼吸困難などを取り除き、また不安、うつなど精神的苦しみまでも対象とします。患者さんのQOL(生活の質)を総合的に高める医療です。

麻薬などを使うことから誤解されがちですが、科学的な裏付けのある医療です。

緩和医療は、WHO(世界保健機関)が提唱する新しい方式で飛躍的に進歩しました。以前はもだえ苦しむ患者の救済と受け取られてきましたが、現在は「苦痛は初期の早い段階から取り除く」が合言葉で、「患者の症状改善だけでなく、家族をも支援する医療」を目的としています。

2015年2月に協会が出版した「あなたの痛みはとれる」で、くわしく説明しています。

【尊厳死と安楽死】尊厳死とは安楽死とどう違うのですか。

尊厳死は、延命措置を断わって自然死を迎えることです。これに対し、安楽死は、医師など第三者が薬物などを使って患者の死期を積極的に早めることです。どちらも「不治で末期」「本人の意思による」という共通項はありますが、「命を積極的に断つ行為」の有無が決定的に違います。協会は安楽死を認めていません。

わが国では、いわゆる安楽死は犯罪(違法行為)です。ただ一定の要件を備えれば違法性を阻却できるという司法判断は出ています。山内事件の名古屋高裁判決(1962年)の安楽死6要件や東海大付属病院事件の横浜地裁判決(1995年)の4要件です。しかし、日本社会には安楽死を認める素地はないと言ってよいでしょう。

【海外の立法】海外では終末期医療の立法化が進んでいると聞きます。

遷延性意識障害に陥ったカレンさんの延命措置中止を認めた米国の「カレン判決(1976年)」が有名です。これをきっかけにカリフォルニア州自然死法(1977年)が制定されたのをはじめ各州にLW法などが制定され、米国では尊厳死の法制化が進みました。

欧州ではフランス、ドイツ、デンマークなどでLWを尊重し、延命措置中止を認める法律が制定されています。また、立法ではありませんが、韓国では遷延性意識障害患者の人工呼吸器取り外しが大法院(最高裁)判決(2009年)で認められました。

一方、積極的安楽死を合法化した国もあります。オランダ(2001年)、ベルギー(2002年)、ルクセンブルグ(2009年)です。

米国では一部の州(オレゴン州、ワシントン州。モンタナ州、バーモント州)で末期患者の自殺を医師がほう助するのを州法で認めています。いずれも住民投票による法制定でした。法律は「オレゴン州尊厳死法」となっていますが、自死を選ぶ自己決定に人間の尊厳があるという考えからで、協会がいう尊厳死とは意味が異なります。

【LWをいかすためには】「希望どおりの最期」を実現するには、どうしたらよいでしょうか。

多くの患者さんを看取ってきた医師が終末期医療で大切なことは「豊富で良質なコミュニケーション」とアドバイスしています。最期の医療について、患者・家族と医療者側との会話が重要だというのです。

会員にとって「会話」の出発点はLWです。まず、LWを持つこと、そしてLWで表したあなたの希望を、家族や周りの人に知っておいてもらいましょう。
突然の発病で話もできないような状態に陥ったら、あなたに代わって医療側と「会話」するのは、その方々だからです。

そして、掛かりつけ医があれば日常の診療の際にLWのことをお話ししてもよいし、何か大きな病気にかかったときは早めに主治医に「治療についての希望」を伝えましょう。カルテ(診療記録)に「尊厳死協会会員」「LWを持つ」のひと言が記入されると、主治医がいない場合でもカルテで情報は伝わります。

そのLWを終末期医療でいかすには…、を まとめてみました。

LWを、いかすには…

  1. 入会の事実を家族らに伝え、万一に備えて理解をしておいてもらう
  2. 重い病気になったら、主治医ら医療側にできるだけ早くLWに表わした希望を伝える
  3. 具体的な医療措置について自分の考えをまとめておく
  4. 医療者側との話し合いは時間をかけて十分に

もし、あなたが身寄りのいない独り暮らしの場合は、あなたと日常接する人、民生委員、介護保険を利用しているならヘルパーさんらどなたかに伝えておくのもよい方法です。いざというときに少しでも力になってくれる方々です。

さて、LWの役割を考えてみましょう。「個人の意思尊重」が第一ですから、会員にすればLWを医師に提示したら、希望がかなうと思っています。一方、医師の多くは、LWは患者の大まかな希望を確認する手段と考えており、微妙なズレが生ずることがあります。

LWは「延命措置をしない」と表明しただけで、具体的な個々の措置をどうするかについては触れていません。実際の場面では、「医師の診断・治療の考え方」と「患者の希望」をすり合わせて、患者にとって「最善の医療」を確認しながら進めることになります。

突然の心停止がおとずれたとき蘇生行為をどうするか、食事を摂れなくなったら栄養・水分補給をどうするか。患者の希望が何らかの形で表明されていれば、より希望がかなうようになります。 このすり合せが「会話」なのですが、ことが重要なので十分な会話時間が必要です。

理屈ではわかっていても、実際の場面では難しい問題が起こります。医師は忙しがって(実際多忙)、短い会話時間で結論だけを急がせ、説明も親切でないケースがあります。面会を求めてもなかなか実現しないことも。医師との関係が不十分で、満足いく「会話」ができないなら、担当看護師ら他の医療者、病院なら「患者相談室」「医療相談室」を通して困っている事態の解決を図る方法もあります。



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