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協会ニュース


2017.01.01

年頭所感 今後10年に向け

年頭所感 今後10年に向け

多死社会こそLWに存在感を 理事長 岩尾總一郎


新年明けましておめでとうございます。
日本尊厳死協会は設立41年目を迎えました。協会が歩む今後10年は、わが国が「超高齢多死社会」へ向かう道程とも重なり、リビングウイル(LW)の重要性はいっそう高まります。50周年に向けた協会の方向性は、今春発行の会報特集で示すことにしておりますが、ここでLWをめぐる状況について若干述べさせていただきます。
ここ数年、医療、介護、広く社会保障にかかわる「2025年問題」が話題になってきました。
10年後には団塊の世代が75歳以上になり、高齢者人口は3500万人とピークを迎えます。国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という「超高齢社会」になるのです。
 


LWは超高齢社会に必需
統計調査からは、年間死亡者は現在より万人多い160万人に達し、うち90%が高齢者と推測されています。「多死社会」の出現です。
この「超高齢多死社会」は、高齢者がどこで、どう死ぬかの問題を投げかけています。人生の最終段階を迎えた人たちが「穏やかな最期」を迎えられる基本は「個人の尊厳」と「患者の意思」が尊重される社会の実現にかかることは言うまでもありません。
そしてLWは、個々人が「最期の医療をどうしたいか」、つまり「最期をどう迎えたいか」を家族や医療側に伝える一番大切なメッセージなのです。これまで協会に登録された会員数は約25万余、うち半数が現会員です。

実効性高める工夫
協会LWは、本人の自律性に基づく終末期医療に備えた意思表明書として社会的にも高く評価されてきました。しかし、複雑になる社会事情に対応するための実効性を少しでも高める工夫は必要と考えます。
協会は2015年、外部有識者を交えた「協会発行のLWに関する検討会」報告書を公表し、事前の意思表明で考慮すべき諸要件として①自己決定する意思能力の証明、②意思継続の確認、③意思能力の衰退時・消滅時の対応、について問題を提起しています。解決策として、LW作成時の証人や家族・親族を含む代理人の選任を明確にすべき時期に来ていると思っています。〝認知症800万人時代〟を認識してのことです。
協会の「ご遺族アンケート」では、「会員のLWが最期の医療に生かされた」割合は長年、9割台を維持しています。これは年間、人間の生と死を考え、LW普及に先駆的に取り組んできた協会の存在意義が大きかったことの表れです。残る数字に「穏やかな最期」の障害となるものがあることは事実ですが、協会は医療界にLW受容意識を高めさせる努力を続ける覚悟です。

自治体、医師会発行も
LWが社会的に認知されてきたことに関連する新しい流れがあります。
現在、多くの病院で協会と同趣旨の事前指示書が入院時の医療計画に組み込まれています。また地域の医師会や地方自治体にもLWなど独自の意思表明書を発行する事例が出ています。最近、こんな話を聞きました。
神奈川県横須賀市は、地域医療包括ケアシステムのなかで「最期までおうちで暮らそう」に取り組み、市民ガイドブックに意思表明書2例を紹介し、その一つが尊厳死協会LWでした。ところが市独自LWを発行する計画が進んでいるそうです。
市が紹介するもう一例は国立長寿医療研究センター病院(愛知県大府市)のLWを含めたACP(アドバンス・ケア・プランニング)です。将来の意思決定能力低下に備え、自分に代わって意思を伝えてくれる人の情報などを患者、家族、医療者が共有できる全体的ケアプランニングです。
協会LWの紹介コーナーが一つ消えることは残念ですが、地域に新しい取り組みが生まれることは歓迎すべきことです。各種LWが世に出るように意思表明の必然性は高まってきており、超高齢多死社会へ〝LW時代の到来〟すら予 感されます。
協会LWの模索と具体化は今後10年の方向性に含まれる大きな項目と考えています。

日医・生倫懇に参加
最後に、昨年11月から日本医師会の第15次生命倫理懇談会が始動し、私も委員の一人として参加していることを報告します。横倉義武日医会長の諮問は「超高齢社会の終末期医療」についてで、11月に答申が出されると思います。
私も協会40年余の歴史の成果を踏まえ、LWの普及はもとより、終末期医療における患者の意思尊重と実効性の担保を、強く医療関係者に働きかける所存です。
今年もよ ろしくお願いします。

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