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協会ニュース


2014.02.14

朝日新聞社に対する要請文

朝日新聞2月12日付朝刊で、「安楽死 18歳未満も ベルギー合法化へ 7割賛成」
の記事のなかで、「法制化議論 進まぬ日本」という記事が掲載されました。安楽死と尊厳死に関わる「治療行為の中止」とを混同していたため、朝日新聞社に対して、以下のような「要請文」を送りました。訂正を求めるものではなく、あくまで今後、混同しないようにお願いをしたものです。おそらく専門以外の記者がまとめたものだと思いますが、まだまだ新聞社内でも誤解があるようです。

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2014年2月14日
朝日新聞社 広報部御中

一般社団法人 日本尊厳死協会
理事長  岩尾總一郎

要  請  文

2月12日付朝刊 7ページ 「法制化議論 進まぬ日本」について、お願いがあります。

この記事は、「安楽死」と尊厳死にかかわる「延命治療の中止」とを混同しており、国民の誤解を招くと同時に、これから行われる尊厳死をめぐる法制化の議論にも大きな影響を与えることになり、ひと言、お願いをすべく、この文書を送付させていただきます。 

記事の冒頭に書かれているように、安楽死を求める法律は日本にはありません。安楽死事件をめぐる裁判の判例として、安楽死が容認される要件が示されているに留まっています。記事に例示されている、末期がんの父親を息子が中毒死させた事件も、東海大病院で患者に薬物を注射して死なせた事件も、安楽死の要件を満たしていないと医師が起訴され、有罪判決を受けました。

ところが、東海大病院の横浜地裁判決から記事に引用されているのは、「安楽死」の要件ではなく、尊厳死に関わる「治療行為の中止」の要件です。

さらに、今回の記事では、前記ふたつの安楽死事件と同列に06年の富山県射水市で患者の人工呼吸器をはずしてしなせたケースに言及したうえで「法整備を求める声が根強いが、安楽死の法制化に向けた具体的な議論は進んでいない」とあります。しかし射水市ケースは、安楽死ではなく、「延命治療の中止」に当たり、医師は不起訴になっています。「法整備を求める声が根強い」というのは、あくまで安楽死の法制化ではなく、「患者の意思に基づく延命治療の不開始、中止」を求める声であり、安楽死を求めているわけではありません。

ご存知かと思いますが、死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合でも、医師が医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。95年の東海大病院の安楽死事件判決でも、「治療行為の中止」と「安楽死」とを分けて判決理由を述べており、同列に語るべきものではありません。私たち日本尊厳死協会も、安楽死は認めていませんし、反対しております。

いま国会では、終末期における患者の意思を尊重するための法律案が上程されようとしています。記事のように安楽死と延命治療の中止を混同されることは、法制化の議論に水をさすことになりかねません。

本来ならば、記事全体を後半の8行(「回復の見込みがなく~)を削除していただくのが望ましいのですが、そうなると記事として成立しなくなってしまうのは理解できます。せめて、今後、安楽死と延命治療の中止を混同なさらないよう、本社内並びに他本社・支社・総局で周知徹底されることをお願いできませんでしょうか。

なお、この要請文は、当協会のホームページに掲載させていただくことをお断りしておきます。御社担当部署から回答をいただけた場合、その回答書について、掲載可能か不可かをお知らせいただければ、それに従います。

この要請文の目的は、あくまで、今後、「安楽死」と「尊厳死」とを混同していただきたくないためのものであることを申し添えさせていただきます。

 

ご参考 御社記事

 

法制化議論、進まぬ日本

 日本には現在、安楽死を認める法律はないが、司法判断などをきっかけに議論が繰り返されてきた。
 1962年、末期がんの父親を息子が中毒死させた刑事事件の判決で、名古屋高裁が安楽死を適法とする要件として、「苦痛緩和が目的」「本人の依頼、承諾」など六つを示した。95年には、医師が患者に薬物を注射した事件で、横浜地裁が延命治療中止の要件として、「回復の見込みがなく死が避けられない」「患者の意思表示か、家族から患者の意思が推定できる」などを示した。その後も、2006年に富山県の病院で、人工呼吸器を外された末期がん患者ら7人が死亡した問題が発覚。法整備を求める声は根強いが、安楽死の法制化に向けた具体的な議論は進んでいない。

 

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