みやざき会長 東 秀史
ある日の午後、数十年ぶりに松股先生(日本尊厳死協会ふくおか会長)から電話があり、宮崎地区の尊厳死協会の世話をしてくれないかとのこと。
理解不十分なまま何となくお引き受けしました。が、現状が明らかになるにつれ、きわめて前途多難な雲行きに。
私は肝臓外科一筋に生きてきましたので、がんのターミナルケアに際しての患者の「生き死に」については十分経験を積んだつもりでおりました。ところが、脳血管障害による意識障害を有する患者さんを看取ったことがありません。
尊厳死が問題になるのはまさにこのようなケースであることを、今回初めて知ることになりました。
癌の場合は、数年、長ければ10年以上ものあいだ患者と接することになるため、患者や家族の死生観については高いレベルで理解できています。したがって、救命処置の中断に関しては家族と目くばせするぐらいで決まってしまいます。
これに対して、意識のない患者と初めて接することが多い救急医療や在宅医療の現場においては、看取りの問題の大きさは私の想像以上と思います。
以上の事実を基に、宮崎における尊厳死協会の活動は、在宅医療や老人施設に関わっていらっしゃる先生方を中心に据えまして、急性期医療の先生方や看護師に対して啓蒙的に活動していただくという形態をとることに致しました。
地域のマスコミ、医師会、看護協会などとの連携を密にして、宮崎県における尊厳死の議論がより活発になるよう地道に活動してゆく予定です。
よろしくご支援お願い申し上げます。